いろはにほへと
漸く振り返って見ると、真剣な顔をしている孝祐と目が合った。
誤魔化せないと分かってはいても、脳は、色んな言い訳を考え始める。
触れられたくないから。
ーお前に関係ないだろ。
ーそれを話して何とかなる訳?
相手を傷付けて、なんとか免れようとして。
気付いてるのは、孝祐だけじゃない。
他のメンバーも、まこちゃんだって、そして、桂馬ですら。
俺の異変が、ひなのと関係していることに、とっくに気付いている。
「…はぁー」
俺は、深い溜息を吐いて、その場にしゃがみ込んだ。
持っている荷物が、重た過ぎて、立っているのが、ツラい。
「俺が、悪いんだ。」
迷いに迷った末、出てきた言葉は、素直な結論だった。