いろはにほへと
「何もかもー最初から、俺が物事を安易に考え過ぎたんだ。」



まこちゃんと衝突して、仕事から逃げたこと。

逃げ込んだ先、ひなのの家に転がり込んだ事。

心が求めるままに任せたこと。


PVに納得いかず、ひなのを利用する形をとったこと。

大人なんだから、気持ちのセーブや片をつけることなんて簡単だと自負していたこと。

そして、つまらない嫉妬で、傷つけたこと。




「遥はー…ひなのちゃんのことー」


「言うな。」



俺の気持ちを代弁しようとした、孝祐を即座に止めた。




「言って良い感情じゃ、ない。」



「んなことないだろー」




直様孝祐が反応するのを首を振って受け止めた。




「俺に、その先を言う権利はない。俺はルーチェを捨てられない。」



「なんだよそれ、話が飛躍し過ぎてない?」



ここまで来てしまったら、もう元には戻せない。
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