いろはにほへと
「ーはい…間違い、、ありません。」


自分の声が、あまりに勝手に、そして普通に、出て行ってしまったから、それが私の声だと自覚するのに時間がかかった。


「いくら親心みたいなもんで心配だったとしても、那遥にはもっと自覚して行動してもらわなければならない。中条さんには、本当にご迷惑をおかけしました。」


「いえ…」


軽く頭を下げた社長は、さっきから私の心をえぐっているなんてつゆ程にも思わず、直ぐにまた私と正面から向きあう。


「それでどうやって終結させるか、なんですがー」



豊橋社長は、今度はタブレットを手にして、何やら操作しー



「正体を繋げてしまえばいいかと。」


PVの一場面を指で差して、かなり自信満々に言い放った。


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