いろはにほへと










「この度は誠に申し訳ございませんでした。」





仮眠室は、最上階にあった。

私と両親が先ほど顔を合わせた場所は、一階のロビー。


そして今、豊橋社長が、私の両親と向かい合って、謝罪している部屋は、三階にある。


隣には昨日と同じー早川とトモハルがいた。

当初豊橋社長は、トモハルが同席するのを嫌がったのだが、私の父がそれを条件に、こうして話し合いの場を持つことに同意したのだ。




「どうしてくれるんです?!娘は受験生なんですよ?大事な時にこんな…評価に響くじゃないですか!なのに普通の生活もできないなんて!」


事の経緯を説明され、娘が世間に晒されたことを再認識した母は、三人の顔を睨みつける。

普段勉強や進路について、何も口出ししてこない母の言葉に、私は意外さと同時に、申し訳なさを感じた。


自分のせいで、と。




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