いろはにほへと
間違いだと言う割に、父の顔は怒りというよりかは、悲しいに近い感情が浮かんでいる。



「僕が貴女に好きになってもらいたかった世界は、『彼』等の世界ではありません。」




そう、まるでー




「彼等の世界は、私達の世界とは交わりません。」




でも、と父は続ける。



母はそんな父の後ろで、じっと私を見守っていた。




「『彼』とは交わる事が出来るのかもしれないと僕は思ってましたけど。」



がっかりしているかのような。
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