いろはにほへと
ぼんやりする視界の中で、頭の中を『好き』と『こい』の二文字が巡る。






「…ない、です。。私には、関係のない言葉、ですから。」





だから。



ラジオから流れてくる胸きゅん話も、恋を歌った歌も、わからない。



想像したこともない。




不必要なもの。






私の中では、そういう定義になっている。






「勿体無いなー」





はぁ、と吐かれた溜め息がちょっと癪に障る。





「別に、必要ないじゃないですか。」





テレビと同じで。



生きていくのに、必要のないもの。






「必要なくないよ」





「え、きゃ、、ちょっと!!」





ぼやっとしたトモハルの手が伸びたかなと思うと、老眼鏡を奪われていた。





前髪が風に吹かれてるトモハルの目が、はっきりと見える。








「か、返してくださいっ!」






咄嗟に自分の顔を片手で隠して、もう一方の手を差し出すけど。





「うわ…」





差し出した手も、顔を隠す手も、トモハルに引っ張られてしまう。






「~~~!!!!」




近い!顔!近い!!!
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