いろはにほへと
「さっき、社長と話したんですけど、スポンサーも今回ばかりはカンカンみたいで、これから説明しにいくみたいです。だから、診断結果を直ぐに連絡するように言われていますから、よろしくお願いしますね。」
車の運転席に乗り込み、シートベルトを締めながら、飯田が話し出す。
俺は後部座席で、高い声が耳触りだと思いながら、窓の外に目を向けていた。
「やっとマスコミの疑いが晴れたばっかりだっていうのに、大変ですよね。事務所にも放送直後から電話がひっきりなしにかかってきていて、改めてルーチェの凄さを感じました。」
嫌味なんだか天然なんだか分からなくなるような話は、聞いてて面倒臭くなる。
なんとなく。
雨が降らないかな、と思った。
「私、いつでも準備できてますよ。」
突如、掛けられた言葉の意味が、分からなかった。
何が、と訊く声もなく、俺は窓から運転席に目を向ける。
「あのスキャンダル、本当だったんでしょう?」
ミラーの中、飯田が俺を見ていた。
「那遥さんが、慰めて欲しいなら、私、いつでも慰めます。」
走り出した車の中。
「私が相手なら、楽でしょう?」
豊橋社長が、どうして、まこちゃんを外して、彼女をルーチェに付けたのか、その理由を知った。
車の運転席に乗り込み、シートベルトを締めながら、飯田が話し出す。
俺は後部座席で、高い声が耳触りだと思いながら、窓の外に目を向けていた。
「やっとマスコミの疑いが晴れたばっかりだっていうのに、大変ですよね。事務所にも放送直後から電話がひっきりなしにかかってきていて、改めてルーチェの凄さを感じました。」
嫌味なんだか天然なんだか分からなくなるような話は、聞いてて面倒臭くなる。
なんとなく。
雨が降らないかな、と思った。
「私、いつでも準備できてますよ。」
突如、掛けられた言葉の意味が、分からなかった。
何が、と訊く声もなく、俺は窓から運転席に目を向ける。
「あのスキャンダル、本当だったんでしょう?」
ミラーの中、飯田が俺を見ていた。
「那遥さんが、慰めて欲しいなら、私、いつでも慰めます。」
走り出した車の中。
「私が相手なら、楽でしょう?」
豊橋社長が、どうして、まこちゃんを外して、彼女をルーチェに付けたのか、その理由を知った。