いろはにほへと
恋愛ものの映画だったにも関わらず、交際宣言。

更に誰も掴んでなかったネタを自らバラした。

勿論、記者の取材は物凄くて、共演者にはとても迷惑を掛けた。

事務所も対応に追われ、俺はこっぴどく絞られ、喜一ちゃんも監督不行き届きみたいに言われてた。

インスタも炎上。

行きも帰りもマスコミの張り付きが半端ない。

阿立桂馬初めての熱愛報道。

ただ、別に悪いことをしたわけじゃない。
だから、仕事が減らされることもなかったし、スポンサーからお断りもされなかった。

挙句、事務所は「若い二人ですから、温かく見守るつもりです。」というようなコメントを発表。

俺もファンに向けて、それなりに挨拶文を作った。

DYLKは完全否定し、ひなのの存在はなかったことにされた。

あんな家の前で写真を撮られたって言うのに、他人の空似という事で通した。

無論、そんな筋の通らない話を、マスコミが信用するわけもなく。

日々、激しさを増していく取材に、DYLKは辟易していた。

だから、俺が落とした爆弾は、結果として、窮地に陥ったDYLKもルーチェも救う事になった。

< 514 / 647 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop