いろはにほへと

あれから、数日が経つ。

ー知ってんのかな、ひなのは。

テレビを観てなくても、雑誌を読んでなくても、一緒にいる友達ー何て言ったかな、さわ…澤田ーが教えるだろうし、嫌でも知る事になる。

それを知って、ひなのはどうしたんだろう。

動揺したんだろうか。

自分のせいだとは、思わないだろうし、多分結び付かないだろう。



だけど、、、、きっと心配してるだろう。



ー会いたい。


会って、どう思ってるのか、どう感じてるのか、聞きたい。


聞いて、安心したい。

心変わりなんてしてないって。

もう、忘れるんだって決めてるって。


「そういえば…俺の知り合いが、なんでもハルのスクープとったらしい。」

「ーえ?」

聞き流していた話の中、混ぜ込まれた情報に反応する俺。

「ここん所、ハルはあっちこっちで引っ張りだこだなぁ。悪い意味で。」

はは、とさして面白そうでもない様子で笑う喜一ちゃん。



「…今度は何のスクープ?」



俺としてはハルがどうなってもどうでもいいけど、どうしてもあいつはひなのに直結するから、気が抜けない。



「今度も、熱愛らしいよ、新しいマネージャーと。手がお早いことで。」


「は?」


皮肉たっぷりな喜一ちゃんとは反対に、俺は素っ頓狂な声を出した。





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