いろはにほへと
平行線
じめじめ、雨の匂いがする夕方。



姫子さんの家から、10分ほど歩くと辿り着く、何でも揃うスーパー、オオタケにて買い物をしている私。




百円均一のような店も併設されていて、雑貨も充実している。





こんな田舎で、姫子さんが車を所有してなくても、不便を感じなかった理由はここにある。









「うーん。。。」




「あら、ひなのちゃん!」





特売品、100g138円の牛肉切り落としとにらめっこしていると、横から声が掛かった。





「あ、青柳さん、こんにちは。いつもお世話になっています。」






カゴ片手に、ぺこりとお辞儀すると、青柳さんはよしてよ、と手を払う仕草をした。





「ちょうど良かった。お米、足りてる?」





姫子さんと親交の深かった青柳さんは、孫の私にまで、とても親切にしてくれる。




小柄な身体で、少しぽっちゃり。



されど豪快な性格。





「あ、、、その…」





遠慮したいが、嘘を吐くのも下手な私に青柳さんは直ぐさま気付いた。




「どうかなーって思ってたところだったから、ちょうど良かったわよ!!あとで取りにいらっしゃいな。にしても、去年は全然食べなかったのにね!成長期ねー!!」





あははと笑い飛ばし、私の肩をバンバンと叩く。






「あ、はい、、ありがとうございます。」





ぎこちなく頷きながら、トモハルの顔が浮かんだ。
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