いろはにほへと
「何言ってるんだよ…歌いたいに決まってるだろ。俺には、、歌しかない。」
動揺する俺の前に、孝祐が立ち上がった。
「なぁ、遥。俺達は、お前に守ってもらいたいなんて、思ってないんだよ。」
「………」
言葉を返せないでいると、続いて宗司も政宗も口々にー
「俺らだって、遥が思ってるのと同じように、遥を守りたいんだ。」
「遥の、、ダイジなモノをね。」
そう言って、自分の胸を叩いて見せる。
「歌はさ、一人だけじゃ出来上がらないだろ。かといって、一人が欠けても駄目なんだ。特にルーチェは。遥が責任感や義務感で歌ってたら、それはやっぱりいずれ行き詰まると思うんだ。」
孝祐が言いながら、俺の肩を掴んだ。