いろはにほへと
次にメンバーと集まったのはー
雪混じりの雨が降る、寒い日だった。
都内のカフェで約束をしていたのだが、家が近い俺と孝祐は同じタクシーで行った。
若干の気の緩みもあったせいか、一般人が中々来ないここならと、特段変装らしい変装はしなかった。
「あー、ちょっと先行ってて。」
「りょ」
店に入る直前、携帯が鳴って、孝祐だけが先に入る形になった。
電話は宗司からで、少し遅れるという連絡だった。
それで、遅れて入った俺を。
「ハル!こっちこっち!」
待っていた孝祐が呼んだ。
「孝祐、声でかすぎ。」
流石に、そんなに大きな声で呼んだらダメだろうと窘め、歩き始めて直ぐに。
前を行く孝祐が、突然立ち止まる。
その背中の向こうには。
「あれ…もしかして、阿立……」
「そんな格好でフラフラしてたら、パパラッチされません?」
孝祐の呟き通り、阿立桂馬が不機嫌な顔して、立っていた。