いろはにほへと
恋を教える、なんて戯言に過ぎなくて。



何しろ、この人の顔だけは悪くないし、寄ってくる人も沢山居る筈だ。



よりによって私なんて、有り得ないし、それを何で彼からかわいいと思われてるかだなんて考えたんだ、自分。



しかも、ブスって言われてる私だし。


青柳さんは近所の犬にもネコにも可愛いって言うし。



トモハルとはそもそも人種が違いすぎる。



なのにそんなこと一瞬でも考えた私、馬鹿過ぎる。




そう思うと、胸の奥がズキンと痛んだ。




あれ、なんだこれ。




痛い。





いつものドキドキとは違う、、新たな心臓病!?





「ひなの、今度はどうしたの?」




急に胸を抑えて立ち止まる私に、半歩先まで行ったトモハルが不思議そうな顔をして振り返る。





「いえ、、別に…」



「別にっていう顔じゃないでしょ。どうしたの?」



「な、なんか、急に胸が…痛くなって…」





仕方なく正直に話すと、トモハルが空いている手で口、いやマスクに手をやった。



「まさか!!!」



「え…」



何か思い当たる病気でもあるのだろうか!




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