いろはにほへと



シャキン。

中身を一緒に切ってしまわないように、なるべく端にハサミを入れる。

心拍数は上がったままで、呼吸すらままならないけれど、なんとか上手に真っ直ぐ切れた。



「すー…はー…」


一度、深呼吸をしてから、息を止めて封筒に手を掛け、中身を取り出して。


「これは…?」


引っ張り出した物は、金色のチケットだった。

日付は、7月の中旬になっている。

luceの文字と、コンサートツアーと時間が書かれている。


ールーチェは、今活動停止だったのでは…


頭が混乱してくる。

慌てて、封筒を逆さにしてみるが、他には何も入っていない。

情報を教えてくれるものはチケット以外何もない。


でも、これは招待だ。

トモハルが、私を招待している。




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