いろはにほへと
というのも、澤田から訊いた情報ばかりで、私が直接確認したものではないからだ。
ネット上や、雑誌やメディアで取り上げられている情報はどれも結局、単なる噂話に過ぎない。中には真実もあるだろうが、真実ではないことの方が遥かに多い。何かが歪曲されたり、過剰に、あるいは不足気味にされてしまう。それによって、人の受け取り方は異なってしまう。
トモハルとの一件で、ほとほとマスコミなどの類が駄目になった私は、もう自分の目で見て、それから判断したいと思うようになった。どんなことでも、ちゃんと向き合おうと思った。自分だけの殻に閉じこもらず、何も見ないで判断したりすることなく、他の人の意見に惑わされることなく、本当(真実)と向き合おう、と。
だからこそ、今、私はこうしてここに立っている。