いろはにほへと
緊張と、自分のちっぽけさと無力さ、存在感の無さ。
震え。
冷えていく、手先。
「…っ」
「うわ」
居堪れなくなって、踵を返すと後ろの人にぶつかってしまう。
逆走なんて、迷惑千万なことは百も承知だが、足は勝手に動く。
「すいませんっ!」
ー逃げないって決めたのに。
開演まであと数十分という所で、自分の予想と現実の狭間に苦しむ。
コンサートツアーっていうのがどういうものか知らなかった。
だからこんな人が沢山いる所とかわからなかった。
期待してたのは、トモハルともしかしたら話せるかとか。
それなら伝えることだけ伝えたいとか。
そんな浅はかなこと。
いつもそうだ。
自分は浅はか過ぎて、大人なトモハルや桂馬と違い過ぎる。
追いつけない。
こんなんじゃ、あの人に届かない。
あんな沢山の人混みに紛れたら尚の事、トモハルはこんな自分にはきっと気付かない。
きっと、見つけてくれない。
震え。
冷えていく、手先。
「…っ」
「うわ」
居堪れなくなって、踵を返すと後ろの人にぶつかってしまう。
逆走なんて、迷惑千万なことは百も承知だが、足は勝手に動く。
「すいませんっ!」
ー逃げないって決めたのに。
開演まであと数十分という所で、自分の予想と現実の狭間に苦しむ。
コンサートツアーっていうのがどういうものか知らなかった。
だからこんな人が沢山いる所とかわからなかった。
期待してたのは、トモハルともしかしたら話せるかとか。
それなら伝えることだけ伝えたいとか。
そんな浅はかなこと。
いつもそうだ。
自分は浅はか過ぎて、大人なトモハルや桂馬と違い過ぎる。
追いつけない。
こんなんじゃ、あの人に届かない。
あんな沢山の人混みに紛れたら尚の事、トモハルはこんな自分にはきっと気付かない。
きっと、見つけてくれない。