いろはにほへと
今までの自分の中の常識が覆る。




「関わりたくないと思っても、どうしてかどんどん関わってきて、、、」





もう少し、もう少しだけ、と思ってしまう。





「それに慣れたら、、一人じゃ、居られなくなってしまいます…」





楽しかったと思う分だけ、寂しいと思ってしまう。



姫子さんが居なくなった時と同じように。



この屋敷にへばりついて、離れられずに、ただ思い出に浸る。



楽しかった思い出に囚われたまま。





「?」




肩を落とした自分を、何かが優しく覆う。




「!」




気付けば、トモハルの胸の中に居た。


傍目から見れば、華奢な身体つきのトモハルだったが、当然ながら自分よりもずっと大きい。




「ごめんね。」




そして、やっぱり、トモハルは優しく謝る。





ドキドキと、破裂しそうな胸は、自分の心臓のようだ。



ここにきて、はっきり目が覚めた。




今しがた、ぼんやりとした意識の中でなんて事を言ってしまったんだろう。





これでは、寂しいから傍に居てと言っている様なものだ。



途端、カカカーと顔が熱くなった。
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