元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~








チサは気になっていたことを聞いてみることにした。



「入り口にいた、受付嬢みたいな人は誰ですか?」

「あ、そこ聞くんだ。
変わっているね」

「エヘヘ・・・」

「彼女たちは死体屋だよ」

「シタイヤ?」

「別名、証拠処分屋。
殺し屋が仕事をした後は、指紋とか残す人が多いんだ。
確実に殺せる分、証拠を残す人が殺し屋には多くて。
そういう証拠を消すのが、死体屋の仕事だよ」

「そうなんですか・・・」

「その点紅羽と澪鵺は死体屋を呼んだとしても、殆ど消す証拠がないほど、上手く仕事をこなしてくれるんだよ。
そういう面でも、2人は裏の業界では有名だね」

「へぇ・・・凄いですね」

「あ、そろそろ着くよ」




ピンポーンと殺し屋組織らしくない音と共に、扉が開く。




色々人通りの多かった入り口とは違い、誰もいない。

壁も天井も床も、黒でおおわれている。



和泉さんは何の躊躇いもなく歩いて行く。

さすがだな。



何故暗い中歩いて行けるのかというと。



和泉さんが歩くと、床を細く白いライトが追っていく。

そうすると、和泉さんの足元だけ明るくなるトリックとなるのだ。










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