元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
☆☆☆
俺は生まれてすぐから、銃を持ち始めた。
誕生日プレゼントが銃だったのだ。
「キョウ、あの的に当ててごらん?」
「うんっ!わかったよお父様!」
ヒト型の的に本物の銃の弾を当てることに、俺は何の抵抗もなかった。
真ん中・・・丁度心臓の部分に弾が当たれば、父親は褒めてくれた。
普段あんまり喜怒哀楽を出さない父親の笑顔見たさに、俺は100発撃ったら100発心臓部分に当たるよう練習した。
「あなた、キョウをどうするつもりですか?」
「決まっているだろう。
わしの跡を継がせる、当たり前だろう」
「キョウの意見は無視するんですか?」
「グチグチうるさいぞ。
・・・殺されたいのか?」
「・・・いえ、失礼いたしました」
母親は、元々体が弱く、父親ともお見合いで結婚したらしい。
母親の母親―――つまり俺の祖母が死体屋をしていて、その縁で父親とのお見合いにこぎつけたらしい。
俺を生んだ後は度々体調を崩し、入退院を繰り返していた。
「キョウ、ごめんね。お母さん何も出来ないで」
「大丈夫だよお母様。
僕、お父様の跡継げるよう頑張るからね!」
「キョウ・・・」
俺が笑顔で言っても、母親は決して笑顔にはならなかった。