元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
小学校でも中学でも、俺は多くの女子に告白された。
しかし、俺は全て断った。
女嫌いのイケメンとして、人気は下がるどころか上がった。
女子は全て俺に夢中になるので、男子からは嫌われた。
別に良いと思った。
俺は今日も手を真っ赤な血で染める。
軽度の快楽殺人者である父親に似たのか、たまに凄く血が見たくなる。
殺人衝動が抑えられなくなると、俺は護身用として持ち歩いているナイフで、一緒にいる奴の手首を切った。
手首は最も血が溢れるから。
誰かを傷つけることで、俺は殺人衝動を抑えていた。
抑えなければ、誰かを殺してしまうかもしれない。
本当は誰かを傷つけたくない。
自分にやっても良いが、自分にやっても衝動は抑えられない。
“誰か”でなくてはいけないんだ。
自分ではない、“誰か”じゃないと。
クラスメイトなどの手首を切ったことが学校にバレ、俺は何回も停学をくらった。
小中学は義務教育なので、退学したくても退学は出来なかった。
勉強面で遅れが出るのは嫌だったけど、女子が離れてくれるはず。
俺と一緒にいると、いつか死ぬって覚えさせる良い機会だ。
それなのに。
女子は誰も俺から離れようとはしなかった。
俺を好きだと言う女子の中には、俺によって切りつけられた女子もいた。
それなのに、女子は俺から離れない。
男子は完全に離れたと言うのに。