元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
☆☆☆
「馬鹿」
話し終えて、知紗に言われる。
って、馬鹿!?
なんか俺馬鹿にされた!?
確かに俺、知紗とか花菜とかレイとか総司とかよりは馬鹿だけど。
紅羽よりは絶対馬鹿じゃないぞ、俺!
「馬鹿だよ恭真。
それ、チサの気持ち何にも考えないでやっているじゃない」
「考えているから、俺は知紗を・・・」
「本当にチサのことを思うなら、チサの気持ち聞いてよ!」
薄っすら涙目になりながら、知紗は言う。
「チサは自殺しないよ。
確かに死体とかドラマでしか見たことないから、最初は抵抗あると思う。
でも慣れちゃえば大丈夫だよ!」
「知紗・・・」
「チサは恭真が好き!
恭真のお母さんみたいな最期は迎えない!
チサ、沢山長生きしてギネスブックに載るっていう夢、幼稚園時代から持ち続けているんだから!
それ叶えるまでは死なないよ!」
チサの見た目に似合わない案外可愛い夢に、俺は吹き出した。
「笑うなんてヒドーい!」
「ゴメンゴメン、可愛い夢だね知紗」
だから俺は、
知紗に惹かれたんだろうな。