元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
「おいキョウ」
突然後ろから男の人の声が聞こえ、反射で振り向く。
立っていたのは、黒いスーツに身を包んだ、少し小太りなおじさん。
「お父様」
あ、恭真のお父さんなんだ。
確かに、目元とか似ているかも。
恭真お父さん似なのかな?
「こちらのお嬢さんは?」
「俺の彼女です」
まぁそんなアッサリ。
改めて言われると、恥ずかしいな。
そうだ、挨拶。
人としての礼儀だよね。
「初めまして。
逢沢知紗と申します。
恭真くんとは同じクラスです」
「・・・何故ここに?」
「知紗は玉置紅羽と神崎澪鵺の友達なんです。
そのため、彼らに情報を渡していた、アイスと共に連れて来られたそうです」
「アイスが?」
本当、あの人何者なんだろう?
ボスと対等に話せるなんて。
ただの幹部じゃないよね?