元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
「キスをするのは本来、僕からだろう!?
何故陽詩がしちゃうんだよ・・・」
「え?
お兄ちゃんそんなこと考えていたの?」
「当たり前だよ!
他にどんなことを考えれば良いのさ!」
「・・・馬鹿。天然。鈍感」
「へ?」
「ううん、何でもない」
陽詩はニコリと笑った後、いきなり立ち上がる。
「陽詩、座りなよ」
別に立っていても危ないアトラクションではないが、普通は座るものだ。
僕が陽詩に言うと、陽詩は僕に向かって頭を下げた。
え?
「ごめんなさい和泉さん。
あたしずっと騙していました」
・・・え?
何この、まさかのカミングアウトは!
陽詩さんが、
僕を、
騙していた・・・!?