元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~









「あたしは、本名和泉陽詩じゃないんです」

「どういうこと・・・?」

「理由は言えません。
勿論あたしの本名も。
何故和泉さんを騙したかも」

「ま・・・待ってよ陽詩。
いきなりそんなこと言わないでよ!
突然すぎるよ!」

「本当は、もっと後で言うはずでした。
でも・・・騙している罪悪感に、あたし、耐えられなくて。
ごめんなさいっ・・・」



陽詩は大粒の涙をこぼしていた。




わけのわからぬまま陽詩を見つめると、陽詩は再び涙声で呟いた。




「・・・ごめんなさいっ・・・」





何故彼女が謝るのかも、

何故彼女が僕を騙したのかも、





僕には

ワカラナカッタ。







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