元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
約束
☆☆☆
僕は次の日、電車を乗り継ぎ、隣の駅へやってきた。
遥華市の隣にある大井(おおい)市は、あんまり評判が良くない。
暴走族なんてザラにいるし、法律違反のクスリを売る人もいるし。
市全体が繁華街みたいなものだ。
カツアゲしてきた男たちを、念のため持ってきたお金を渡し、追い払う。
面倒なものだ。
何故自分で稼がない?
・・・病気を持っていても、組織のために働く人も、中にいるのに。
昨日コピーした地図を頼りに、僕は喫茶店サンライズを目指す。
冷やかしじゃ悪いから、コーヒーを飲んでいこう。
【喫茶店 サンライズ】
正直言ってボロい看板に、そう書かれていた。
さびれた金のドアノブに手をかけ、思い切り開ける。
カランカランと良い音がした。
「いらっしゃいませー。お1人様ですか?」
「はい」
出迎えてくれた店員さんらしい男の人。
その腕には、竜の描かれた刺青があった。