元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
☆☆☆
「お待たせしました。待ちました?」
仕事を終えた陽詩が来た。
「待っていないよ。
コーヒー飲んで待っていたから。
美味しいねここのコーヒー。
あの店員さんも気さくで面白いし」
「リュウくんは元暴走族なんです。
なかなか雇ってくれる場所がないみたいで、あたしの店に来たんです。
少しチャラいんですけど、仕事結構頑張ってくれていますよ」
話し終えた陽詩は、気まずそうに俯いた。
「ごめんなさい・・・」
「謝らないでください。
ただ、僕は知りたいんです。
陽詩が本当は何者なのか。
目的は何なのか」
「教えます・・・。
やっぱり、教えないのは、罪悪感ありますし・・・」
「陽詩はよく罪悪感を感じるんですね。
とても良い人ですね」
僕の周りに、罪悪感を感じる人は少ない。
罪悪感なんて感じていたら、仕事なんて出来ないから。
「とりあえず、どこかお店入りましょうか」
「はい」
と言っても、この辺はお店が少ない。
あったとしても、少々危険だ。
考えた末、僕らは僕のバー・アイスに行くことにした。