元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
「ところで花菜チャン、知紗チャンは?」
「え?」
辺りを見渡すと、知紗と恭真がいない。
「総司がカナを振り回すから、別れちゃったのよ」
「え・・・ゴメン、なんか」
え?
真面目に素直に謝ってきた!?
「別に良いわよ。
時間になったら、さっきのバスの所まで行けば良いし」
「さすが花菜チャン!」
「そ、それぐらい常識よ」
・・・カナ、不器用だなぁ。
素直に「ありがとう」言えば良いのに。
「ところで、何でお土産代持ってきていないのよ」
「あー・・・無駄なお金使いたくなくて」
「は?」
お土産代が無駄?
そんな考えの人、いるんだ。
「今回の旅費、全部兄貴が出してくれたんだ。
兄貴にも買いたいものとかあるだろうから。
これ以上迷惑かけられねぇなぁって思ってさ」
へぇ、案外しっかりしているじゃない。