元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
僕は向日葵を受け取ると、そっと置いた。
「いつですか?」
「兄が調べたことなんですが。
和泉さんを施設に預けた・・・数日後だったそうです」
「何故・・・両親は僕を?」
「家の経済状況が悪かったらしくて。
このまま和泉さんを育てるのには支障が出るからって・・・。
ご両親は当時病気で・・・働くこともまともに出来なかったらしいですから」
「死因は・・・?」
「事故だったそうです。
和泉さんを再び迎え入れるため、働きに出掛けた時に、向こうからトラックが来て・・・」
陽詩は鞄の中から、切り取られた新聞記事を取り出した。
・・・よく出てくる鞄だな。
その新聞記事には、和泉夫妻が事故に合い死亡したことが書かれていた。
古いものなので、所々ヨレヨレだが、顔写真がかろうじて見れた。
これが・・・僕の両親。
初めて見た・・・。
「和泉さんは知りたがっていましたよね?
何故自分の名前ヒョウが、包むではなく氷なのか」
「ええ・・・って、何故それを?」
「兄から全て聞きました」
ヘヘッと陽詩は恥ずかしそうに笑った。