元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
「兄が調べてくれましたよ。
和泉さんが疑問に思っていたこと、全て」
佐藤さん・・・。
「ご両親は和泉さんに伝えたかったそうです。
コオリは必ず、溶けるんだってこと・・・」
「溶ける?」
「ええ。
殆どの人は、心に闇を抱えています。
ご両親も親に捨てられ、施設で育ち出会ったそうで。
心に闇を抱えていました。
その闇を、ご両親はコオリに例えたんです。
闇もコオリも、光によって消えていきます」
「では何故、ヒカリにしなかったんでしょうか?」
「ああ、お母様の名前が光莉(ひかり)だったからだそうです」
「ではヒカルに・・・」
「お父様の名前が照(ひかる)で・・・」
親と子の名前が一緒とは、変だからな。
「お次に説明するのは、何故包むではなく氷なのか?です。
人間、包んであげるだけじゃ駄目なんです。
包んで支えてあげなくては、人を闇から救えない。
ですからご両親は包むでヒョウをやめた。
和泉さん、コオリが溶ける方法、もう1つあるの知っていますか?」
コオリが溶ける方法・・・?
「いや・・・知りませんけど」