元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
11月2日・・・。
その日は・・・
「僕の誕生日です・・・」
「え?そうなんですか!?」
誕生日を知る人は、少ない。
多分佐藤さんと、陽詩ぐらいだろう。
ボスは僕の情報能力しか興味なかったから、僕の誕生日なんて知らないだろうし。
紅羽や澪鵺には聞かれたことないし。
「お兄ちゃん、覚えていたんですね」
「ええ・・・」
手紙が陽詩の元へ送られた時、僕は二十歳になった。
僕が二十歳になった時の、お祝い。
二十歳まで生きられないと言っていた、佐藤さんらしいや。
「和泉さん、お兄ちゃんに大切にされていたんですね」
「そうみたいだね・・・。
最高だったよ、陽詩のお兄ちゃんも、陽詩も」
「え?あたしも?」
「お兄ちゃん思いなんだね陽詩は。
会ったこともない人なのに、陽詩はよく協力したね。
僕が怪しい人だとは思わなかったの?」
僕が初めて陽詩に会った時、佐藤さんが殺し屋組織の情報屋であることを伝えた。
そのことを知る僕も、殺し屋組織に関係ある人だと思うだろう。