元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
太陽な彼女と、情報屋な彼氏
☆☆☆
「氷くん!」
今日もバタバタと、太陽のような彼女がやってくる。
「どうしたのさそんなに慌てて」
彼女のお兄さんが大事にしていたグラスを、今日も磨く。
こうやってピカピカにすると、心も綺麗になる・・・なんちゃって。
「受かったの!」
「何に?」
「医学部に!!」
「本当!?おめでとう!」
カウンターから出てきた僕は、彼女とハイタッチを交わす。
「でもこれからが大変だよ。
陽詩乗り越えられる?」
「勿論!
あたし多くの患者さんを助けるんだ!」
「頑張って陽詩!
お金のことなら僕に任せて」
僕は紅羽や澪鵺みたいに殺し屋を辞めていない。
前から少しだけ受けていた殺しの仕事は辞めたけど、ブラックキャットの情報屋としては働いている。
陽也から受け継いだ情報屋としての能力を、多くの殺し屋に渡すためだ。
陽也が死ぬ前まで僕に教えてくれた情報屋としての能力。
それを生かさなければ、陽也もおちおち死んでいられないだろうから。