元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
「あのさ紅羽・・・」
「食べてみてくれる・・・?」
俺の台詞を遮り、紅羽は不安そうな瞳のまま、ベッドに座る俺を見る。
「・・・?」
これはなんだ?
目の前の紅羽が差し出すお皿には、茶色に焦げた“何か”が乗せられていた。
全体的に色は茶色で、所々黒で、少しだけ黄色い。
四角い“何か”が、2枚ほど乗せられていた。
「紅羽?」
「ごめんなさい・・・。
この間陽詩さんに作り方を教えてもらって、作ってみたの。
家で練習したんだけど・・・ごめんなさい・・・」
「これは何?」
「・・・フレンチトースト」
フレンチトースト?
フライパンで焼いた時、焦げたのか?
なるほど・・・それで茶色や黒が混ざっているのか。
「や、やっぱりこんなの、澪鵺に出せないよ!
澪鵺がお腹壊したら大変だもん・・・。
早く元気になってほしいよ」