元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~







「紅羽、今日早く帰るとか言っていたよな?」

「うん・・・」

「なら、これ使えよ」



澪鵺が渡してくれたのは、小さな折り畳み傘。

開いてみると、人が1人しか入れないほど、小さい。




「え?でも澪鵺は・・・?」

「俺のことは心配するな。
それより、それ使って行きなよ」

「わ、悪いよ!」

「遠慮はいらねぇから。
紅羽に風邪引かれると困るし」

「私だって、澪鵺に風邪引いてほしくないよ・・・」

「あのな、俺は紅羽と違って、頭悪くないから」



澪鵺は持っていた鞄を叩いた。



「今日天気予報で雨降るとか言っていたから、俺は念のためもう1本持ってきたの。
俺はそれ使って帰るから、紅羽はそれ使えよ」

「澪鵺・・・」

「どうせ紅羽、天気予報なんて観ないんだろ?」

「うん。じゃあ、借りて行くね。
ありがとう、澪鵺!」



私は傘を差し、陽詩さんとの待ち合わせ場所へ行き、無事フレンチトーストの作り方を教えてもらった。

・・・結果はまあまあかな?






それから数日後。

私は衝撃の事実を知ることになる。










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