元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
「ありがとう・・・玉置さん」
「玉置さんじゃないです。
私のこと、紅羽って呼んでください」
「わかったわ・・・紅羽」
「じゃ、ありがとうございました。
脇腹すいません。大丈夫ですか?」
「ええ、もう止血しているしね」
「良かったです。
先輩も、幸せな恋が出来ると良いですね!」
澪鵺に近づくと、倉片先輩が「紅羽!」と呼んだ。
「忘れていたわ。
あなた、コードネームは何て言うの?」
「私ですか?
ダークっていうコードネームですよ」
普通に言ったのに、倉片先輩はポカンと口を開けた。
何か私変なこと言ったか?
「倉片先輩。
ちなみに俺は、ロンリネスです」
今度は目を見開く先輩。
どうしたんだろー?
「帰るか紅羽」
「うん」
私が倉片先輩にコードネームを聞かれた時、私が怪我したところに、澪鵺は絆創膏を貼ってくれた。
それを本人は言わない。
さりげない優しさなんだなー・・・。