元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~







「れい・・・ッ!?」



私が声をかけた途端。





澪鵺は私にキスをした。

しかもいつもとは違う・・・深いモノ。

生暖かい“何か”も入ってくる。





「澪鵺・・・」

「俺は好きだよ、紅羽のこと」

「でも私は・・・」

「気にするな。
・・・ただ、思ったんだ」

「何を?」

「倉片先輩、レンナに似ているなって」




確かに、言われてみればそうかも。



澪鵺の妹レンナさんは、兄である澪鵺が大好きで。

澪鵺を傷つけ、自分たちを引き離そうとする人たちを躊躇いもなく殺害していった。

私も依頼を受けレンナさんを殺害したのだが、その依頼内容も、澪鵺に近づいた女をレンナさんが殺してしまったため、亡くなった友達の恨みだった。



自分を美しいと言ってくれない男や女を、殺していった倉片先輩。

大好きな兄に近づいた人たちを、ドンドン殺していったレンナさん。



「俺もレンナのこと止めてやれば良かったんだけどね・・・」

「澪鵺のせいじゃないよ・・・」




2人とも、必死だったんだ。

周りがいくら言っても・・・改心したかは、わからない。








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