元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
「そういえば紅羽。
俺言ってなかったよな」
「ん?何を?」
「俺、近々ある生徒会選挙で、会長候補で立候補するから」
「ブホッ!?」
思わずお粥を吹き出す。
「馬鹿」と言いながら澪鵺は布団にまみれたお粥を拭いてくれた。
「生徒会長になるってこと?」
「まぁ、そうなるな」
「凄い!
でも澪鵺1年生だよね?」
「正確な活動は2年からだけどな」
「よく立候補出来たね。
普通会長って、今の2年生じゃないの?」
「倉片先輩から言われたんだ。
会長に立候補しても可笑しくないって」
確かに倉片先輩は生徒会副会長だもんね。
「代々生徒会長は生徒のお手本になれるよう、成績優秀者がなるらしい。
だけど今の2年生は、倉片先輩以外成績が悪いらしくてな。
1年の学年トップの成績保持者である俺が立候補してみろって」
「倉片先輩は会長やらないの?」
「倉片先輩、今年で生徒会辞めるらしいから」
「そうなの?」
「なんでも彼氏が出来て、生徒会より彼氏と会いたいとか言う理由らしい。
勿論先生には叱られたけど、変えるつもりはないらしい」
「倉片先輩、彼氏出来たの!?」
まさかの!
「倉片先輩が所属する殺し屋組織のボスらしい。
恭真がそのボスと知り合いみたいでな、言ってた」
さすが恭真。