元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
「あ、こんにちは」
高そうな茶色い扉から出てきたのは、修学旅行行った時写真で見た、総司のお兄さんだ。
「初めまして。相島花菜です」
「・・・君が?」
「へ?」
「あ、失礼、何でもありません。
どうぞ、中に」
「お、お邪魔します」
中に入ると、思わず口をぽかんっと開けてしまった。
な・・・どこのお屋敷だ!
室内の壁は全て白で統一されている。
玄関の石は、大理石だろうか?
高そうな石だ。
石には詳しくないから、よくわからないけど。
通されたリビングには、何十人も座れそうな大きな茶色いソファー。
カナ好みの可愛い青色のカーテン。
カナの部屋が全て入ってしまいそうな、大きなリビングだ。
「どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
出されたのは、甘い香りの紅茶。
甘いにおいだけど、不思議と嫌ではない。
むしろ、良いにおいだ。
「いただきます」
こくんっと一口飲む。