元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
「知らなかったです・・・。
総司が女性恐怖症なんてっ・・・!」
「今日学校をお休みしたのも、その症状が悪化して。
下手すると、誰も手をつけられなくなるほど暴れますので。
悪化した時は休むようしているのです」
カナが殴ったんじゃなかったんだ!
良かったぁ・・・って、良くないよ!
「でも総司、女性恐怖症を患っている風には見えませんでしたけど・・・」
「普通は、女性と出会うだけで震えが止まらないなどの症状が出るそうです。
しかし総司の場合、それを超えてしまっているので、逆に女性が好きだと思えるような態度や行動を取るのです」
「・・・ッ」
知らないくせに、カナ総司に女好きとか言っちゃった。
総司にとって、女ほど怖いものはないだろうに。
あれ?
「でもあたし、総司から告白されたんですけど・・・」
「総司から聞きました。
それ、俺も不思議に思っているんです。
女嫌いな総司なのに、何故相島さんだけは特別なのか・・・」
「・・・あの、お兄さん」
聞いちゃいけないことかもしれない。
でもあたしは。
総司を好きでいたから。
「総司はどうして、女性恐怖症を患ってしまったんですか?」
「・・・長い話になりますよ」
「構いません。
あたしも総司が好きなんです。
総司のこと・・・知りたいと思うんです」
お兄さんは驚くも、すぐに微笑んだ。
そして、話してくれた。