元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
その威力は、花菜チャンより強かった。
口の中に鉄の味がする。
「違いますお母様。
オレは決して告げ口なんて・・・」
「嘘をつくのは悪い子。
もっとお仕置きしなくちゃ」
やめて、と思った瞬間には、オレは殴られていた。
殴られるだけじゃない、蹴られたりもした。
叫び声を上げるものなら、喉の近くに針を当てられた。
ツゥーッと血が出る。
「叫ぶんじゃありません。
今度叫んだら、喉を潰しますよ」
オレは無言で頷いた。
「良い子ね、ご褒美をあげないと」
ホッとしたのも束の間。
腕に鋭い痛みが走った。
叫びそうになるのをこらえた。
ズキズキと痛む腕を抱えると、腕を蹴られた。
鈍い音がした。
「ふぅ、疲れたわ。
明日からはバッドを使いましょう。
あの憎き人が大切にしていたバッド。
確か高かったって言っていたわよね。
あのバッドを血まみれにしたら、どんな反応をするのかしら?
ワタシに謝ってくれるかしら?」
寒気がした。