元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
「良いだろ、俺また寮戻るし」
「ん・・・」
「そういえばお前、高校は男子校無理だから。
男子校行かせてやりてぇけど、金銭上問題あるし。
わかってくれるよな?」
「・・・そりゃあ、勿論」
男子校行きたいのはやまやまだけど。
オレの家は普通より、ハッキリ言わせてもらうけど、貧乏だ。
兄貴の働いた金のみで生活している。
それを、オレがオッケーした女に盗まれた。
「総司のせいじゃない」って兄貴は笑っていたけど。
目の奥が笑っていないこと、オレは知っていた。
オレのせいで。
兄貴は再び働かなくてはいけない。
オレもバイトしなくちゃ。
そう思いながら、バイトオッケーの高校を探した。
でも、どこの高校もバイト禁止で。
あってとしても、遠く離れていて、通うだけでも何万円とかかる。
仕方なくバイトは駄目でも、近い高校を探し出すも。
オレの家の近くに高校はない。
1番近いのが、今の高校だった。
学力的にも合っているし。
共学だけど。
多分女と関わるけど。
家のため、兄貴のため、生きるため、我慢しよう。
元はといえば、オレの責任だし・・・・。