元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~










暇なので、寝て過ごすことにした。

入学式、結局出れずじまいか。

まぁ兄貴も来る予定なかったし。

バレてねぇと良いけど。

兄貴はオレをこんなにした母親を憎んでいるから。




いつの間にかオレは寝ていたらしい。

思い出したくない感覚が、オレの腕に当たる。

ふと、あの日を思い出す。

結局あの後病院行ったら、骨折れていたんだよな。



似ている。

骨を折られた時の、あの感覚と。




眠いからじゃない、痛みで重くなった瞼を必死に開けると。

気味悪い笑顔を浮かべた母親がいた。



「声かけても起きないから、殴っちゃった♪」

「・・・」

「殺し屋さんが来たのよ。
これでアナタも死ねるわね?」

「・・・」



やっぱりオレの人生、女に関して良いことなかった。



漫画やドラマのように。

恋がしてみたかったというのは、




コンナニモ儚イ願イナノカ?







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