元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
目の前にいたのは、黒髪の人。
男だと思うけど・・・。
これが殺し屋か。
「殺してくれませんか?」
「その前にお支払いいただきたい。
ブラックキャットボスである俺が直々に来たのでね」
「いくらかしら?
100万で良いわよね?」
母親が言った途端、黒髪の目つきが変わる。
「は?
100万?
そんなチャチな金で仕事は出来ませんね。
下っ端殺し屋なら良いものの、俺はボス。
ボス級の殺し屋ですよ?
1000万ぐらいは用意してくださいよ」
「1000万!?
そんなお金は用意できません!」
「いくらでもお支払する、と俺に言いましたよね?」
「この事は旦那には内緒なんです。
まさか妻になる女が、息子を殺害するんですから。
公には出来ませんよ・・・」
「息子?」
黒髪の目つきがますます鋭くなる。
「悪いですけど。
殺し屋に依頼をした時点で、彼はアナタの息子ではありません。
実の息子を殺害なんて・・・そんな依頼ないですから。
どうしてもあなたが彼をいらないと思うのなら、俺に良い考えがありますが?」
母親の目つきが変わる。