元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
「で?どんな理由で入ったの?」
「兄貴の影響かな」
兄貴!?
「総司お兄さんいるの?」
「まあねー。
別々に暮らしてはいるけど」
「写真とかないの?
見てみたいな、総司のお兄さん」
「写真ー?
・・・兄貴が前に、彼女と一緒に写っている写真を送ってくれたから、それで良ければ」
「構わないよ!見せてみせて!」
総司はスマホを軽く操作し、カナに見せてくれた。
写真には、2人の美男美女が写っていた。
日本人形みたいな、綺麗で艶のある黒髪の女の人。
富士山をバックに、微笑んでいる。
もう1人は。
黒髪で、ピアスをしているものの、いかにも真面目そうな男の人。
イケメンの分類に入ると思う。
ただ・・・。
お世辞にも、総司と似ているとは思えない。
「どうだ?」
「う~ん・・・。
お兄さんイケメンだね」
「だろ。結構モテるぞ」
お兄さんとよっぽど仲良しなのか、お兄さんを褒められただけで、凄く嬉しそうな表情を浮かべる。