元殺し屋と、殺し屋~anotherstory~
「そういえば、僕自己紹介していなかったね。
初めまして。
和泉氷(かせん・ひょう)です。
殺し屋組織ブラックキャットの情報屋です」
情報屋?
漫画やドラマの世界だけかと思っていたけど、まさか現実にいるとは。
「殺し屋なんですか?」
「んー・・・。
まぁ殺しはするけど、僕実力ないから。
殺し屋として組織にいるんじゃなくて、僕は情報屋としているね」
「そうなんですか・・・」
チサが納得したところで、扉がバンッと開く。
「「遅れてごめんなさい!」」
入ってきたのは、紅羽と神崎。
でも、格好が違う。
紅羽はいつも三つ編みに結んでいる黒髪を結ばず伸ばしている。
眼鏡も外していて、いつもと雰囲気が違う。
神崎は綺麗な銀髪と紫色の瞳を露わにしている。
まるでどこかのお伽噺に出てくる妖怪だ。
「あ、ちょっと待っていてね知紗ちゃん」
ニコリと神様のように微笑んだ和泉さんは、息を切らしている2人に近づく。