undying love 〜永遠の愛〜
俺は話があると親父に呼ばれて、院長室に来ていた。病院の独特な匂いがするロビーを抜けて最上階の部屋に向かう
あの日から月日は経って、友里は夢を叶えて幼稚園で働き、俺は親父が継いだ病院で、医者として働いていた
ーコンコン…
無駄に重いドアを開けると親父が深刻そうな表情で窓から外を眺めていた
『おぉ…来たか…』
「失礼します。院長…何か用ですか?私、今日休みなんですが…」
『まぁ、そう言うなよ』
一応仕事場では、親父と息子の関係ではなく、院長と医者とゆう立場で接していた
息子だからと、特別な目で見られ、医者としての自分を見てもらえないのが嫌だった
親父は俺の近くにあるテーブルに写真を差し出して、ニタニタ笑いながら俺の目の前のソファーに座り直した
「…これは…患者さんのですか?私は専門外ですけど…」
『友里ちゃんのだ。おめでとう』
「はっ!?友里の?これ?マジ!?」
『友里ちゃん頑張ったね。まだ2ヶ月だから、安心はできないが…』
マジかよー!すげぇ…
不妊治療を始めてから5年。最近、友里の仕事が忙しいらしく、治療自体を休んでいた時の出来事だった
だから余計に嬉しくて…写真を手帳に挟んで、友里の元へ向かった