undying love 〜永遠の愛〜


俺は手紙を読む事が出来ずにいた

友里の字を見た瞬間、今の状況も、俺は全てを受け入れた

視界が霞んで、親父達がよく見えない

ーオギャー…

皆のすすり泣く声が、さっきまでうるさかった廊下に響き渡った時に、赤ちゃんの鳴き声が聴こえてきた

『雅也!聴こえたか?産まれたぞ!よかった…よかった…』

「……友里…友里に…会わせてくれよ…なぁ、親父…お願いだから…友里に…」

ーバシン!…

『しっかりしろ!お前は父親なんだぞ!友里が守った命なんだ…お前が友里の分まで抱いてやれよ…無駄にするな…』

殴られた頬は不思議と痛さを感じなかった

何故か分からないけど、皆が泣く声も、周りの雑音も、全てが聞こえなくなって、親父の言葉だけが俺の真ん中に響いた

それと同時に認めたくない事実を突き付けられた気がした

しばらくして、手術中のランプが消えた

「先生!友里と赤ちゃんは?」

俺は手術室から出てきた先生に駆け寄った

『おめでとうございます。女の子ですよ』

女の子…かぁ…
友里と俺の子なんだから
絶対可愛いよなぁー…

「…先生!友里に会えますか?まず友里に会いたいんですけど」

『渡部さん…』

先生は黙って頷くと、俺を友里の元へ連れて行ってくれた


< 124 / 132 >

この作品をシェア

pagetop