undying love 〜永遠の愛〜

−謎−



『雅也…』

「とりあえずコレ…やろうぜ」

戸惑う友里に線香花火を渡して、チカチカ光る赤い光を黙って見つめた

最後の線香花火の火種が手から落ちると、今まで黙ってきた友里が重い口を開いた

『あのね…』

友里の声は震えていて、まだ何も話していないのに涙が零れ落ちていた

「抱きしめてていい?」

一瞬目を見開いてびっくりしていたが、コクッと頷いて差し出した俺の手をとった

服が汚れないように、膝に乗せて後ろから抱きしめると、友里は恥ずかしいのか身体を捩った

「……大丈夫だから話してみ?」

友里を抱きしめていると、自分ではよく分からない感情が溢れてくる気がした

幼なじみだから小さい時からずっと一緒にいたけど、本当は妹として見たことなんてなかったのかもしれない

俺は友里に彼氏が出来る度に、訳のわからない苛立ちが募って、別れる度に内心ホッとしていた事に気付いた


< 27 / 132 >

この作品をシェア

pagetop