初恋と思い出の場所


教室に行くと、ちょうど入学式が終わった直後のようで、生徒達がわいわい騒いでいた。

まだ先生は来ていない。


私が教室に入ると、私の中学時代からの友達の藤本彩音(ふじもと あやね)がこちらへやって来た。



「ちょっと、美冬!あんた入学式サボったでしょ!?何やってたの!」



あー、彩音怒ってるなー。

そりゃそうだよね。

学校に居たのに入学式に出ない新入生とか前代未聞だよ!



「ごめん、ちょっと色々あってさ」



そう言いながら、私は隣に立っている秋山くんを睨んだ。



「ちょ、ごめんって!本当!」



秋山くんは慌ててまた謝って来た。



「美冬、この人誰?」



彩音がきょとんとしながら秋山くんを指差した。

彩音、人を指差すもんじゃないよ…


< 10 / 68 >

この作品をシェア

pagetop