初恋と思い出の場所


男子生徒はやっと起き上がると、その鼻からは鼻血が出ていた。



「痛ってー…ちょっと大丈夫じゃねーかも」



でしょうね。

階段に顔面強打している人なんて、生まれて初めて見たよ。



「えっと…保健室行く?鼻血酷いよ?」



私は鞄からポケットティッシュを取り出して、顔面強打の男子生徒に渡した。



「保健室行っとくかー…お、ティッシュありがとな」



男子生徒はティッシュを鼻に詰め込むが、それはすぐに赤く染まってしまった。

そして私に向かって聞いてきた。



「あの…保健室の場所、知ってるか?」



まだ入学式も始まっていない生徒が、保健室の場所を知ってるはずがなかった。



「わからない…一緒に探そうか?なんか鼻血酷いし」


「頼む、助かるわ」



こうして私と男子生徒は、保健室を探しに行くことになった。


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