初恋と思い出の場所
『和樹ってさ、水谷さんのこと好きでしょ?』
「はっ!?!?」
翔の言葉に、思わず反応が大きくなってしまった俺。
『その反応、図星?』
電話の向こうで、翔が笑っているのがわかる。
あー…翔には敵わねー…
「そうだと思ってくれて構わねー」
俺はぶっきらぼうにそう言った。
翔はおかしそうに笑う。
『やっぱりね。和樹の初恋の人か。僕は応援してるよ。それを伝えたくてね、それじゃまた明日』
そう言って一方的に電話を切ってしまった翔。
な、何なんだあいつは!
確かに、水谷のことは好きだ。
多分、多分だけど、これは恋というものなんだと思う。
けど、俺は今まで恋愛なんてしたことがない。
だからこの『好き』の気持ちが、恋なのかはまだ正直わからなかったりするけれど…
「水谷…」
俺の頭の中をいっぱいにする水谷に、これは恋なのだろうかと、一晩頭を悩ませた。